もうひとつの「しばり」
そんなこんなでTOKYOハンドクラフトギターフェス、僕の現場は終わりましたが、フェスそのものは本日(日曜日)が最終日。
大手メーカーの量産システムには真似できない、人生かけてギター作ってる人々による珠玉の竿物が会場を埋め尽くしているので、ぜひ行ってみて。
ちなみに僕の現場、例のライブとワークショップ、とあるご縁でBOSE社のヒット商品「S1-Pro」というポータブルPAスピーカーを使って演ってました。
片手で軽々持ち運べるその1台でPAスピーカーやフロアモニター、楽器用アンプ、さらには音楽再生機として、いつでもどこでもマルチに使えるオールインワン・ポータブルPAシステム。
PA環境のない場所や電源の取れないストリートプレーヤーなどへのニーズも高く、楽器を演奏する人、マイクで喋る機会の多い人、自宅でBluetooth経由+BOSEクオリティで音楽を楽しみたい人、などなど、皆さんにとって価値のある機材でもあると思う。
ちなみにこのS1-Pro、先週のサウンドメッセin大阪で押尾コータローさんも使ってます。
押尾コータローさんといえばNHK-Eテレのギター番組で出演してましたが、そういえば僕もその何年か前に同じ枠で出演してましたね。
間口の広いNHK-Eテレだなぁ、と改めて思いましたが、BOSEも間口を広げてるなぁ、とも感じました。
という訳で急遽、会場にスタンバっているパワフルなPAシステムやサウンドエンジニアに一切頼らず、あえて小さなこのスピーカー1個+オペレーターなしでやってみようという運びに…。
驚くべき出力を備えた最新鋭の機材とはいえ、やはり小さなスピーカー1個のみなので、演奏を上手に聞かせようとするなら、普通は大きなPAスピーカー(この現場では計6台)の音場を選ぶもの。
なのにわざわざ小さなほうを選び、パワフルで音像定位の豊かなコンサートPAシステムをわざわざすべてオフにし、粗やスライドノイズが目立とうともたった1個の小さなスピーカーの可能性に賭けてリスクを選んだ、という訳。
そんなこんなで、もしも「普通のPAシステムで聞くのとなんか違う」とか「もっと聴きやすくするためにそこにいるサウンドエンジニアさんが何にも仕事してない」とかとか思った人、そんな事情でした、ごめんね。
誰もが手に入れられる手軽で良質な機材を積極的に使ってデモンストレーションすることは、ビギナーを含む多くのギター弾きにとってそれを知る良い機会となり得るため、微力ながらBOSE社の熱意に応える選択をしました。
しかしながら、パワフルな大出力PAシステムとプロのサウンドエンジニアが会場に既にスタンバってたことをよく知っている僕としては、指本数の制限に加えて音場的な制限までをも持ち込んだことで、なにげに過酷な現場ではありました。
ちなみに下の写真で見える、足元に転がっているモニタースピーカも含めたすべてのPA出力機器(会場には計7発のスピーカーがありました)のうち、鳴っているのはなんと最も小さい「S1-Pro」(写真左の小さなスピーカー)のみ。
これ、常識ではあり得ない選択なんですよ。
でも、人が困ってるのを見るの、嫌いじゃないでしょ?
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